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人間の時間の捉え方は結局今やりたい事、やらなくてはならない事がどれぐらいあるかに依存する

小さい頃から時間の感じ方の違いがなんで起きうるのか疑問に思っていました。
どうして楽しい時間は早く感じるのか、めんどくさい作業をしている時間は長く感じるのか。
小学校の時、国語の教科書に代謝時間という考え方が載っていたのを覚えています。
自分の体の持っている全エネルギーのうち単位時間でどの程度エネルギーを消費しているか、どの程度の心拍数があるか。
それが大きければ時間は早く感じ、小さければ時間は長く感じる
という理屈です。
(この辺りあまり覚えてませんがそんな定義だったと思います。)
なので、蟻にとっては一日もあっという間に過ぎるけれども、象にとっては長く感じると。
この考え方に、「確かにそうかもなぁ〜。」と思う反面、なんとなく納得しない部分もありました。
エネルギー消費が大きく、疲れる退屈な仕事でも時間は長く感じるし、消費が少なくても時間が短く感じることはある。
その違いはなんだろうかと思いました。

大人になってから、誰かから「1歳児にとっての一年間は一生分と同じ時間だが、50歳にとっての一年間はせいぜい人生の中の50分の1に過ぎない。」という話を聞きました。
x時間生きた人にとっての単位時間は人生の中での1/xでしか無い、それを積分していくと対数の関数になる、だから時間の感じ方は齢とともに短く感じるようになっていくんだなぁと思ってました。
と思ったら、既に「ジャネの法則」というものが、フランスの哲学者・ポール・ジャネにより発案されていたようです。

人間の五感は対数に変換されている

この記事を見て妙に納得したのを覚えています。

しかし、このジャネの法則は、あくまで過去を振り返っての感覚時間における法則であり、この先の1時間、1年間、更には自分の人生の長さをどう捉えるかの感覚とはまた違います。

仕事をし始めて、あらゆるプロジェクトに携わる中で、「これだけのプロジェクトをあと一年でやりきるのか、、あと一年しかないのか、、」などと思う事が増えたり、自身のキャリアを考えた時にも、「**年後には**が出来るようになっていたい!!その為には毎日勉強時間を確保したとしても***時間しかない。。全然時間ないなぁ〜。」と思う事が多くなりました。
また、子供ができた事で、「子供が**歳になるまでには家が欲しいなあ〜、その為には毎年**円貯金しなきゃー」と考えるようになりましたが、この先の数年間はとても短い時間のように感じられます。

こうしたことから、新たに以下の仮説を提唱したいと思います。
「人間の未来に向けた感覚時間は、この先の時間の中でやるべき、やりたいと考えている事柄の総量に反比例し、その内ある時間の中で実施し切れる(と想定される)量に比例する」

つまり、やりたいこと、やるべきことが多い人は、その中である時間の中で実施しきれる割合は相対的に少なくなります。
逆に、あまりタスクを抱えていない状態だと、時間は相対的に長く感じるようになります。
当たり前の事を言っているようですが、退屈な作業をしているときに時間が長く感じられるのは、作業のゴールイメージが無いか、やりたくもなく、やるべきことだとも認識出来ていないため、分母が極限まで0に近くなってしまうためかとも考えられ、なんとなく説明が付く気がします。

  1. 過去の時間を振り返る際の感覚時間は、現在自分が持っている記憶の量に反比例し、ある時間の中で増加した記憶の量に比例する。(ジャネの法則
  2. 未来時間を意識した際の感覚時間は、この先の時間の中でやるべき、やりたいと考えている事柄の総量に反比例し、その内ある時間の中で実施し切れる(と想定される)量に比例する

時間の捉え方が短くなったとか、長く感じる場合は、1.だけでなく、2.の要素も複合的絡み合っての結果なのかなと思います。
年を重ねて時間が無いと思うようになるのは、ある時間の中で得られる経験値が、自分の人生の中での占める割合が少しづつ減っていく為、だけでなく、いろんな考え方ができるようになったぶん、やりたいことが増えたため、または立場も変わっていく中でやるべきことが増えていったためという側面もあります。

そう考えると、時間が短く感じるのは「歳とったな〜。。」と嘆くためのネタになるだけでなく、この先の人生の中で自分はどういった事をやりたいのか、それに向けてどの程度のことが成し遂げられそうか、を意識するための丁度よい指標のような物になるのかもしれません。
長期的にやりたいこと、近い将来やるべきことなど、時にはそういったことから一旦頭を切り離し、ゆったりとした時間を過ごしたり、目の前の物事に取り組んで充実感を感じるというのが一番精神衛生上健康的な時間の過ごし方なのかなーと思いました。
常に、「時間が短い」と感じる場合は意識的にそういう時間を設けるのも必要かもしれません。

時間を意識しながらの方が効率的に動けることもありますが、いつも時間を意識するのも辛いですからね。

今日はそんな事を考えました。
明日からまた頑張っていこうと思います。